そもそも受験すべきかどうか?

わたし自身の娘の小学校受験の経験を踏まえるとYES。
公立に進学させるべきか?それとも私立に進学させるべきか?悩みます。
自身の経験から申し上げると、無理してでもぜひとも小学校受験に挑戦
することをおすすめします。

理由その1 小学校受験の先の中学受験の現状について
中学受験を考える場合、受験勉強開始時期は遅くても小学4年生から。
小学4年生進級の4月のタイミングで塾へ通い出すのが一般的です。
またその前の入塾テストのために3年生の12月でスイミング、バレエなどの
習い事に一旦区切りを付け、年明け1月以降の入塾テストの準備を進めます。
子供の個性を伸ばそうと始めた習い事であるはずなのに小学校入学から数えて
わずか3年も満たない期間で辞めてしまっていることがほどんどです。
実際、私の娘の通うスイミングクラブでは小学校高学年にもなるとほとんどの
子たちは辞めて塾通いに切り替え、継続して続けているのは中学校附属の私立の
小学校の子供たちばかりといった状況です。。
小学校は公立でのびのび過ごして中学受験を目指すとほとんど多くの方が
考えるのですが逆に公立でのびのびと過ごすどころか小学校高学年にもなると
中学受験のために塾通いで忙しくなり、学習以外の習い事など本来子供の個性を
伸ばそうと初めたことの優先度は下がってしまいます。中学受験を目指す方が
ほぼ一般化されているため中学受験についての激化はご存知の通りです。

理由その2 学歴偏重からの移行
今の日本社会を大きく俯瞰してみると学歴偏重主義から個性偏重主義へと
移行しつつあることが皆さまも感じていることではないでしょうか。結果として
画一的な教育から個性を大切にした教育へ社会が変貌しようとしています。
まだまだごく一部ですが、大学入試においてもAO入試の導入など単に学習の
習熟度のみで評価するのではなく、これまでの経験などを総合的に評価する
方法が導入されつつあります。このことを考えると必ずしも偏差値の高い大学を
卒業することが、子供たちが未来の社会で生きていく中で必要なことではなく、
子供たちがそれぞれ生まれて来てから社会の中で様々な経験を見て感じて自身で
考えて行動したことが未来の社会で生きていく中で必要となることになると
考えます。となると、中学受験の負担感や非効率さなどを考えた結果、小学校を
受験するといったことが一つの選択肢になると考えます。

理由その3 幼児教育無償化に伴う小学校受験の中学受験化?
ご存知の方も多いかもしれませんが、ここ最近幼児教育の重要性について
注目されつつあります。先ほど開始された幼児教育無償化については今回紹介
する内容とはまた別の側面もあるかもしれませんが、わたしが以前読んだ本で
「なるほど、そういうことか!」と納得した著書があります。
教育経済学者の中室牧子さんが書いた『「学力」の経済学』。
この著書のなかで、教育に関する様々な仮説、検証を行った文献などを紹介し
その結果としての科学的根拠(エビデンス)に基づいたうえで、なによりも
「幼児教育が大切だ」「早ければ早いほど良い」と説いております。

人的資本への投資はとにかく子どもが小さいうちに行うべき

「学力」の経済学 中室牧子

さらにこの著書のなかで、幼児教育が大切、早ければ早いほど良いに加えさらに
「質の高い幼児教育」が必要であると説いています。私の持論になりますが、
今後幼児教育の重要性がもっともっと注目されることで、このことが教育の
二極化を招くのではないかと思っております。
なぜ、中学校までは義務教育なのにわざわざ授業料の高い私立の中学校へ進学を
希望するのか?それはおそらく”偏差値の高い=良い大学”に進学するためには
私立の授業料の高い中高一貫校へ進学することが学習カリキュラム上有利で且つ進学実績も良いから。ただ”偏差値の高い≠良い大学”ではなくなりつつある今、
子供にとってなによりも大事なのは、社会の中で自分で考えて解決していく
ための能力であったり、その子供が持ちあわえている個性といった部分であると
思います。となると今後の社会の変容につれて、小学校受験が今の中学校受験の
ように激化するのではないかと考えます。